【吉原珠央】人とモノを自由に選べるようになる本

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 それでは、日常生活のなかにおいて、どのように目標を意識的に感じることができるのでしょうか。

 私がおすすめしたいのは、目標を数字に置き換えて、その数字に触れ続けるという方法です。

 日常生活には、数字を使う機会がたくさんあります。そういった場面で、目標を連想させる数字を使うのです。

 そして、その数字をキーボードで押したり、記入することで視覚情報のみならず、指先の神経を伝って脳に意識させるのです。

 たとえば、あなたが「人とモノを自由に選ぶ」ために必要だと思う年収や転職期限日、体脂肪率などを考えてみてください。そして、次のような方法で、その数字を頭に強く焼きつけるのです。

 <身近にある数値目標設定の例>
 ・携帯電話のセキュリティロックの4ケタを目標年収に設定
  →目標年収額が700万円の場合は「0700」

 ・銀行の暗証番号を次の希望転職期限日に設定
  →2011年5月に転職したい場合は「1105」

 ・会員登録時のパスワードで目標の体脂肪率を設定
  →15%をめざしていれば「1500」

 ・受験予定の資格試験番号をPCのロック番号に設定


 私は、実際に3年前から携帯電話のセキュリティロックの暗証番号を、目標としている年収に設定しています。携帯電話は、一日に平均して20回は使っていますので、日々、強烈な自己暗示をかけていることになります。

 その結果、この3年間で4回、目標が実現しています。実現できると、そのつど、設定額を上げています。毎日、自分の指で、その数字を押すというアクションをが、目標に対する意識を頭に呼び起こし、実現するための行動を促してくれるのです。

 この方法は、「自分との約束」ともいえます。

 周りの人に宣言するような「相手に対する約束」よりも、数字を活用し、自分に対して、日々、強烈な暗示をかけるほうが、目標は達成しやすいと私は感じています。

 数字の設定は、多少難易度が高くてもいいのではないでしょうか。その数字によって、「さらに上へ」という方向性を、自分自身に意識づけてくれるのですから。

 数字をうまく生活のなかで活用して、目標自体を意識のなかに積極的に取り込んでいきましょう。