【船井幸雄】かならずこれからこうなる だからこう対処しよう

※以下抜粋

■p56
 歴史上、何度も繰り返されてきたことですが、社会体制というものは、とことんまで行き着かないと変わりません。限界までいったとき、あちこちから矛盾が噴出して、やっとみんなが気づくようになるのです。絶対王政の終焉、そして共産主義の崩壊は、まさしくそうやって起きたのです。

 

■p121
 これまでの人類のあり方は、人間の欲望、すなわちエゴが中心でした。資本主義も共産主義も、エゴをもとにつくられたシステムです。資本主義は、エゴが求めるままを自由に追求していこうという「エゴと自由」のシステムであり、共産主義は、自分のエゴを守るために他人のエゴを抑制しようという「エゴと平等」のシステムです。

 

■p128
 私は長年経営コンサルタントとして仕事をしてきましたが、欠点に手をつけると、多くの場合、うまくいきません。長所は得意なところですから、ちょっと改善するだけで大きく伸びています。短所是正は難しいし、それにこだわっていると前に進むことができなくなります。

 

■p212
 もし長所がわからない場合は、それまで一日かけていた仕事を3時間でやらせてみます。時間が限られてくると、もっている能力をすべて使わざるをえません。するとおのずと、自分が何が得意なのかわかってきます。

 

■p218
 この世の中の人間関係には、五種類あります。第一が『信者』の関係です。夫婦や無二の親友といった、全幅の信頼のおける関係です。第二が『友人』の関係です。『電話で無理が言える』関係で、経営者なら会社の社員、会社員なら同僚もそのなかに入ります。
 
 第三が『知人』の関係です。お互いに顔と名前と、多少、性格やプライベートな事情を知っている関係です。第四が『ファン』の関係です。こちらが相手のことを知らなくても、向こうはこちらのことを顔まで知ってくれて、気に入ってくれている関係です。第五が『そのた大勢』の関係です。マスコミで名前が知られるようになると、名前だけは知ってくれているその他大勢の人が何百万、何千万という数になります。

 この五種類の人たちをお金に換算して考えると、信者は一人一億円くらいの価値があります。そして友人はおおむね100万円、知人は10万円、ファンは一人10円、その他大勢は何人いてもゼロと考えていいでしょう。

 

■p219
 いつでも一緒にいたいのが信者の関係、最低でも月に一度くらいは声を聞きたいと思うのが友人の関係だと教えられました。この信者と友人の関係になることを「固定化」した関係といいます。(中略)100人の固定化した関係があれば、その10倍から20倍の顧客がついてくると考えていいと思います。1000人から2000人の顧客がいれば、たいがいのビジネスは成功できるものです。