【小林弘幸】自律神経を整える「あきらめる」健康法
【小林弘幸】自律神経を整える「あきらめる」健康法(2013/8/28)
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よく「笑顔でいると病気が治る」「笑顔を意識することでがんが消えた」といった話を聞きます。これは自律神経からみても、大いにありうることです。
笑うと、体内に影響をおよぼし、本当に病気をやわらげる効果があるのです。笑顔でいると副交感神経が上がり、リンパ球も活性化し、それだけ免疫力が高まることは実験でも証明されています。
実際にいろいろな表情をしたときの自律神経の状態を計測、比較するという実験をしましたが、その結果わかったのは、心からの笑顔はもちろんのこと、たとえ作り笑いでも、口角を上げれば副交感神経は上がるということでした。
これはまだ仮説ですが、おそらくは、口角を上げるという動作が顔筋の緊張をほぐし、心身にリラクゼーション効果をもたらすのだと考えられます。
イライラしたり、落ち込んでいるときは、交感神経が上がり血流が悪くなっています。こんなとき、無理にでも口角をキュッと上げて笑顔をつくってみてください。これだけで自律神経は反応し、副交感神経が上がってきます。
(中略)
その反対に、緊張を高め、副交感神経を下げてしまうのが「しかめっ面」です。口角がさがり、眉間にしわを寄せたこの表情は、顔筋の緊張を高めてしまうからなのです。
心の底から楽しいと思えなくても、「しかめっ面」をやめて、口角を上げれば、それだけで緊張が解け、副交感神経が上がります。副交感神経が上がれば、全身がリラックスしてきて、心にも余裕が生まれます。
ですから、笑うということを日常の暮らしのなかで意識的にしていく習慣をつけておくと、ネガティブな気持ちに引きずられることなく、気持ちを前向きにしていくことができるのです。