【牛堂登紀雄】僕が30代で5億円の資産をつくれたのは、誰でもできるシンプルなことを大切にしただけ。

【牛堂登紀雄】僕が30代で5億円の資産をつくれたのは、誰でもできるシンプルなことを大切にしただけ。(2013/8/5)

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 私の机の上は散らかっています。整理整頓するのが面倒くさいという理由が大きいのですが、資料類を整理すると、また取り出すのが面倒だからです。

 同時にたくさんの案件を抱えていると、それらを同時進行させる必要があります。それをいちいち片付けたりファイリングしてキャビネットにしまったりすると、また出さなければならず、むしろ生産性が下がります。また、新聞や雑誌記事の切り抜きも一切やめました。

 就職して1年間ほど、日経新聞の切り抜きをせっせと集め、スクラップブックにしたり、ファイルボックスに保管したりしていたことがあります。

 しかし、それで賢くなった気になって終わりでした。せっかく切り抜いた記事もファイルボックスに投げこんで終わり。活用されることなく忘れ去られていました。

 情報は整理した瞬間に死んでしまうということに、あるとき気づいたのです。

 そこで、今は必要な記事や情報はそのまま机の上にポンと置くことにしています。

 集めてくる情報も、昔はただ漫然と「いつか使うだろう」と、興味をひかれたものは何でもかんでも収集していました。

 でも「いつか使えそう」は「おそらく永久に使わない」ですから、「これを何に使うのか」という目的が明確でなければ、流して捨ててしまいます。

 つねに最新情報が溢れ、そのスピードも速い。本はまた買えばいい。新聞や雑誌の記事は、ネット上に溢れている。

 情報は保管するよりも、必要になったときにその都度収集し、使い終わったら捨てるという、消耗品として扱うほうが良いと感じています。

 

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 以前、夫婦でカンボジアへ視察旅行にいったとき、現地のゴミ処理場を案内してもらいました。

 そこでは、5歳から10歳くらいでしょうか。孤児の子どもたちが働いていました。しかも上半身ハダカで、靴も履いていません。

 彼らはうず高く積まれたゴミの山の中から鉄くずを取り出す仕事をしていて、夕方にはブローカーが来て、その鉄くずと交換にお金を受け取ります。

 しかし、丸一日働いてもらえるお金は、わずか40円ほど。彼らはおもいっきりブローカーに搾取されているのですが、仕事がないよりマシなので、文句も言わず、もくもくと働いています。

 子どもたちの多くは、15歳まで生きられないそうです。裸足なので、足をけがして細菌が入り、病院にも行けず、ほとんど数年で死んでしまうとのこと。

 ゴミ処理場に住んでいて、家もお金もなければ、学校にも行けないし、おいしいものも食べられない。

 彼らはその短い一生を、ゴミの山に囲まれて死んでいくのです。

 その様子を見たとき、私は涙が出そうになりました。子どもたちが気の毒だという気持ちと共に、いかに自分が恵まれているか、そのありがたさを実感したからです。

 と同時に、挑戦しないということが、とてつもなく罪悪だということも感じました。

 よく、「自分には無理」「リスクがあるから」という人がいますが、カンボジアの貧しい子どもたちからすると、「バカじゃねえの?」「お前ら、なんだってできるだろ?」と言われるでしょう。

 彼らは挑戦したくてもできない。携帯電話もパソコンも持てない。どこかへ逃げたくても、逃げられない。人生を変えたくても変えられない。こんな状態で、夢なんて見られるでしょうか。

 でも私たちは、やろうと思えばなんだってできる、夢も見られるし実現に向かって走ることもできる。私たち夫婦は、日本に生まれてきたことに感謝しました。

 カンボジアから帰国した私たちは、さらにアクセル全開で仕事に打ち込んだのは言うまでもありません。